
こんにちは!元時計営業マンIZ(イズ)です。
本日はHamilton(ハミルトン)PSR MTXについてです!
2021年12月17日に公開された映画マトリックスシリーズの最新作『マトリックス レザレクションズ』をコンセプトに作られています。
今でも付き合いのある時計販売員に聞いたところ、初回入荷分は即完売!?だったそうで、注目度の高さが伺えます。
では、このモデルがいかに人気か説明しますね〜!
PSR MTXとは…?
映画「マトリックス」シリーズから着想を得て、作られたアメリカン・クラシックコレクションの最新作です。
まずこの時計の一番最初に目を引くポイントは、デジタル表記のグリーン液晶です。
このグリーンは常時点灯となっており、ケース右側のボタンを押すと有機ELによって数字が光るハイブリッドディスプレイになっています。
ケースは316Lステンレススティール(※1)をブラックPVDコーティング(※2)がされており、
時計の裏蓋と特別仕様BOXには、マトリックスの世界を象徴するような「デジタルレイン」が表現されています。
(※1) 316Lステンレススティール
別名サージカルステンレスとも呼ばれ、医療用メスやハサミなどに使われる高品位ステンレススティール。金属アレルギーが起こりにくいことが特徴。また磁気が帯びにくい金属でもありスイス時計では幅広く使われている素材
(※2) PVDコーティング
”フィジカル・ヴェーパー・ディポジション”の略。物理蒸着ともいわれてる。
高温状態の真空装置の中で特殊な金属をイオン化し蒸着させ、素材の表面に硬い皮膜を作る加工技術。より地のステンレススティールより硬くなり、小キズや耐摩耗性・金属アレルギー抑制などメリットが多い。

まさにマトリックスの世界観ですよね〜!
ハミルトンファンにも、マトリックスファンにもたまらない
こだわりの仕様ですね〜!
次はスペックをご紹介します!
型番 | H52434130 |
コレクション名 | アメリカン クラシック |
ムーブメント | クォーツ(電池式) |
ケースサイズ | 40,8mm x 34,7mm |
ケース素材 | ステンレススティール(PVD加工) |
ガラス | サファイアガラス |
防水性 | 100m防水/10気圧 |
限定本数 | 世界1,990本 |
正規品価格 | 132,000円(税込) |
並行品価格 | 販売無し |

世界限定1,990本のとてもとても希少性の高いモデルなんです。
だからこそ、店頭や公式ECで完売続出しているんですね!
マトリックス初代の映画の公開年が1990年だったところから、
製造本数が1,990本にされているそうです。
ますます、男のロマンをくすぐる仕様ですよね〜!
パルサー(PSR)の歴史
時計好きには、ハミルトンのこの液晶画面のダイヤルは見慣れたものかもしれませんが、
今回、映画マトリックスからこの時計に出会った方は、「ただの液晶画面の時計に13万円!?」と思われるかもしれません。
このPSRというシリーズには、歴史と価値があります。
ハミルトンは、1970年に世界初のLED式デジタルウォッチを発表されました。
従来の時計とは全く異なる可動部品のない時計「パルサー タイム・コンピューター」です。
針も文字盤も存在せず、ただ時計に黒い液晶がついており、ケースのボタンを押すことで数秒間時刻を表示するという前例がない時計です。
この通称パルサーと呼ばれる時計が、今回のPSRの原型と呼ばれる時計です。

ディスプレイにはLEDが使用され、純金製ケースの側面にあるボタンを押して時刻を表示する仕組みでした。わずか400本という希少なこのモデルは当時の車1台分よりも高価な2100ドルで販売されました。
引用:ハミルトン公式HPより
パルサーという名前は「脈動変光星」(周期的に光が変化する星)を意味しています。
デザインは1968年の映画「2001年宇宙の旅」に「宇宙で使われている設定の時計」をテーマにハミルトンが提供したものがベースです。
ちなみにこのパルサーはジャック・ニコルソン、ジョー・フレージャー、エルトン・ジョン、キース・リチャーズなど多くのセレブリティに愛用されたことで有名となりました。

ぱっとみたところは、ただの液晶画面の時計ですが、この時計には深い深い歴史があるんです!
ですが、このパルサーの歴史は一度途絶えてしまいます。
次はここを解説しますね!
この液晶時計の人気ですが、さらに白熱し多くの「電子機器メーカー」が参入してきます。
ここでもう一度いいますが、「電子機器メーカー」です。
通常の時計は、針や文字盤など様々なパーツのサプライヤー(生産者)と繋がりを持って製造していくこととなります。
ですが、この液晶ダイヤルはケースと液晶を作れば製造できてしまうため、多くの電子機器メーカーが真似をして製造したそうです。
ハミルトンは当時アメリカ創業のアメリカウォッチブランドでしたが、パルサーの未来のためにスイスのスウォッチグループに売却します。
その後もパルサーはHit商品として、液晶時計の中では人気を博しますが、
一方で電子機器メーカーから1,000円以下で同様の仕様の時計が売り出されるなど、
液晶時計としての需要を供給が上回り、この液晶時計ブームは過ぎ去ったそうです。
その後、1978年にハミルトンは「パルサー」の名前を日本のSEIKOへ売却します。
ここでハミルトンとしてのパルサーの歴史は幕を閉じました。
時は経ち、2020年にハミルトンは、「パルサー誕生50周年」を記念して、
その名前を「PSR」と名付け復刻しました。
発売されたのは、定番商品のステンレススティール製と、ゴールドPVDカラーの限定品の2種類です。

ちなみに、ステンレススティールタイプはまだ買えます!
され、冒頭の「ただの液晶画面の時計に13万円!?」に戻ります。
今や、100円ショップにも販売されているような液晶画面の時計ですが、
この仕様を世界で初めて生み出したのがハミルトンです。
そして、世界で人気のトレンドを作り出したのもハミルトンです。
そういった背景がこの時計にはあります。
しかも、マトリックスの限定モデルといえばなおさらです。
この時計にはそれだけの価値があります。
気になっている方は是非、公式HPより「入荷お知らせメールを受け取る」という形で予約がまだできるようなので、ご予約されてみてはいかがでしょうか??
また近隣のハミルトン正規代理店に電話してみるのもありかもしれませんね!

お付き合いありがとうございました!!
また次回の記事でお会いしましょう〜!